ロシアのプーチン大統領は、去年、ウクライナ南部のクリミアを併合する過程で、情勢が不利になった場合に
備えて、核兵器使用に向けた準備を指示していたことを明らかにし、国際社会からの反発が予想されます。
ロシア国営テレビは15日、ロシアがウクライナ南部のクリミアを併合してまもなく1年になるのに合わせて
特別番組を放送しました。
このなかでプーチン大統領は、クリミアを併合する過程で核兵器使用に向けた準備ができていたかどうか質問
されたのに対し、「準備はできていた。クリミアは歴史的にわれわれの領土だ」と答え、情勢が不利になった
場合に備えてロシア軍に準備を進めるよう指示していたことを明らかにしました。
クリミアを巡って、核大国のロシアが核兵器の使用を視野に準備していたことが明らかになったのは初めてで、
国際社会からの反発が予想されます。
さらにプーチン大統領は、クリミアの併合を決めたのはウクライナの政変の直後で、クリミアに駐留するウク
ライナ軍を武装解除させるため、「軍の参謀本部の特殊部隊や海兵隊を派遣していた」と述べました。プーチ
ン大統領はこれまで、「住民投票の結果を受けて編入を決めた」としてきましたが、この説明を事実上覆し、
軍事力も利用してロシアに併合する方針だったことを認めました。プーチン大統領はクリミアの併合を歴史的な
偉業と位置づけており、みずから決断したとアピールすることで、強い指導者を印象づけるねらいもあるとみら
れます。
(続き)
ttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150316/k10010016891000.html