【3月14日 Relaxnews】科学者と考古学者からなる探検隊が、中米で最も人跡まれな熱帯雨林とされるホンジュラスの密林で、古代文明の遺跡を発見した。
ホンジュラスの密林の奥地には、計り知れない財宝をたたえた失われた黄金郷「エル・ドラド(El Dorado)」が存在するという伝説は、幾世紀にわたって伝えられてきた。そして今、考古学者、技術者、人類学者からなるチームが、人々が猿を神と讃えていた「猿神の都市」または「白い街」と呼ばれる伝説の場所を発見したと発表した。
科学者チームの密林調査にカメラマンと記者を同行させた米雑誌ナショナルジオグラフィック(National Geographic)が最初に報道したこの探検は、文化的・生態学的にみて画期的な出来事と賞賛されている。
探検隊を率いた米コロラド州立大学(Colorado State University)の考古学者、クリストファー・フィッシャー(Christopher Fisher)氏は、怒ったクモザルとの遭遇が、今回の発見の重要性に気づくきっかけとなったと話している。
電話取材に応じたフィッシャー氏は「彼は叫び声をあげて私に枝や葉っぱを投げつけてきた」と回想。「自分の縄張りに私が侵入してきたことに怒っていたんだ」と語った。
野生の猿たちは何世紀もかけ、出くわしたらすぐに逃げるべき捕食者として人間を恐れるようになった。だがこの場所の動物は人間と接触した経験がなく、この猿はフィッシャー氏を自分の縄張りに侵入してきた単なる別の霊長類として見ていた。「これを目の当たりにして、私は非常に衝撃を受けた」という。
科学者らはこの密林で、「地面から姿をのぞかせていた」紀元前1000~1400年のものとみられる遺物54点を発見・記録した。その中には、祭礼用の座席、ヘビの装飾を施した船、人間とジャガーとヘビを掛け合わせた神話上の動物「ワージャガー」の彫像などが含まれる。チームはこれら遺物の発掘はせず、記録だけを行った。
フィッシャー氏によると、遺跡発見のきっかけは、2012年、研究室で「ライダー(LIDAR、Light Detection and Ranging)」と呼ばれる最新のレーザー光走査装置から送られてきた画像を分析していた時だった。ライダーを使えば、うっそうと茂ったジャングルであっても、地形をマッピングすることができる。画像をデジタル化すると、そこにはかんがい用水路、貯水池、道のような人間が手を加えた土地と集落の痕跡が確認された。フィッシャー氏はまた、同地域が単一の古代社会だったというよりは、幾つかの「失われた都市」や集落が集まった場所だった可能性が高いと強調している。
略奪される恐れがあるため、科学者らは遺跡の正確な位置を明かしていないが、フィッシャー氏は、生態学的な重要性から、この現場を保全する必要があると指摘している。(c)Relaxnews/AFPBB News
【翻訳編集】AFPBB News
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