太陽光飛行機:世界一周へ出発…5カ月間の旅程
毎日新聞 2015年03月10日 11時41分(最終更新 03月10日 11時44分)
【カイロ秋山信一】太陽光をエネルギー源とするプロペラ飛行機「ソーラー・インパルス2」が9日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを出発し、約12時間の飛行を終えて、オマーンの首都マスカットに到着した。同機は滞在先での機体整備や休養を含めて約5カ月間の旅程で、太平洋や大西洋を横断し、太陽光飛行機として初の世界一周を目指す。
プロジェクトは、気球で初の世界一周を遂げたスイス人のベルトラン・ピカール氏(57)らが2003年から企画し、民間企業の支援を受けて進めてきた。公式ホームページによると、同機は東回りでインド、中国、ハワイ、北米などを経由し、今年7〜8月ごろにアブダビに帰還する計画で、日本に立ち寄る予定はない。
ソーラー・インパルス2は翼の長さ72メートル、機体の重さ2・3トン、最速で時速140キロを出せる。翼上部に張られた1万7000枚の太陽光パネルで発電し、プロペラ4枚を電力で回して飛行する。夜間は充電式のリチウムイオン電池が動力源となる。操縦はピカール氏と、スイス人の元パイロットのアンドレ・ボルシュベルグ氏(62)が交代で務める。
公式ホームページ(http://www.solarimpulse.com/)では飛行シーンなどの映像も公開されている。
ソーラー・インパルスの初号機は12年に欧州からアフリカへの大陸間飛行に成功した。改良された2号機は大西洋、太平洋の横断も可能だとされている。
http://mainichi.jp/select/news/20150310k0000e030175000c.html