周りを見渡すと、このIT業界界隈には位置情報を使った陣取りゲーム「Ingress」にハマっている人を多く見かける。一方で、おそらく途中で挫折したという人も少なくないはずだ。
坂本純子 (編集部)
周りを見渡すと、このIT業界界隈には位置情報を使った陣取りゲーム「Ingress」にハマっている人を多く見かける。一方で、おそらく途中で挫折したという人も少なくないはずだ。実は筆者もそんな一人だった。
正直なところ、Ingressは人気のパズルゲームほど分かりやすいゲームではないし、インターフェースは英語(今は一部日本語化されている)。しかも現実の世界と連動しているので、歩き回る必要があるなど、ちょっととっつきにくい印象があると思う。
振り返ってみると、挫折しないためのポイントは、(1)ハマってる人に教えてもらう(できれば一緒に行動を)、(2)とりあえずLevel 5ぐらいまではがんばってみる──の2点かもしれないと感じた。
Ingressのメイン画面である「スキャナー」。光の粒が沸き立っている場所がポータルだ。このポータルを奪い合うのが基本的な目的。ちなみにこの場所は秋葉原。道路や線路などは、実際のGoogle マップと連動している
当時、放置状態から脱したきっかけは、業界飲み会の席に熱くIngressを語る人々がいたことだ。「今ひとつよくわからないんですよねぇ」などとぼやいたところ、あるライターさんが懇切丁寧に背景のストーリーやゲームの遊び方などを教えてくれた。最近は、友人らを勧誘した上で、その人がLevel 3まで上がるとその数に応じて「メダル」がもらえるようになった。「これから始めようかな」という人には特にやさしく教えてくれるに違いない。
歩き回るうちに、10年も住んでいるこの街にそんなところがあったのか──といった新たな発見ができるのもIngressの魅力で、それは確かに楽しい。ふと振り返ると陣営(ポータルの色)が変わってるほど活発な場所に行けばウキウキする。しかし、だ。レベルが低いうちはできることも少なく、そもそも寒いのにこのためだけに歩く気にはなれなかった。かなりの“ゆるふわエージェント(プレーヤー)”だったと思う。
そんな中また転機が訪れる。1カ月かけてやっとレベル5になった翌日、久しぶりに会った熱心な先輩エージェント(女性)に「えっ、まだLevel 5なの?それって、始めて1週間のレベル!」とバッサリ斬られたのである。心の中で涙すると同時に、なんだかかなり負けた気持ちになって、その日から極寒の中、Level 8を目指してポータル巡りのために遠回りして帰るようになった。
実は、Level 5を過ぎたあたりから、だんだん敵を攻撃できる力が強まるので、できることが増えていく。すると、敵のポータルを壊せる割合も高まっていき、リンクもしやすくなっていく──という具合に、だんだんIngressのおもしろさが分かってくるのである。
続く