係助詞「か
係助詞(かかりじょし/けいじょし)は、種々の語に付き、その語に意味を添えると共に、文の終止にまで影響を及ぼす助詞である。いわゆる「係り結び」を形成し、ぞ・なむ・や・かは連体形で、こそは已然形で、は・もは終止形で結ぶことを要求する ...
元来は終助詞であったが、強調のため倒置されて係助詞となったと見られている(大野晋『係り結びの研究』など)。上に引用した湯原王詠を例にとれば、「鴨ぞ鳴くなる」は「鳴くなる鴨ぞ」という文に直すことができるが、これが倒置の形をとっていることにより「鴨」という語が強調されていることになる。
1. 疑問をあらわす
葦辺より満ち来る潮のいや増しに思へ _か_ 君が忘れかねつる(万葉集、山口女王)
2.反語をあらわす。
荒津の海潮干潮満ち時はあれどいづれの時 _か_ 我が恋ひざらむ(万葉集、作者不詳)
か_ も ---------- 誰し _か_ も尋(と)めて折りつる春霞立ちかくすらむ山の桜を(古今集、紀貫之)
かは -------------- 何をかは明くるしるしと思ふべき昼に変はらぬ夏の夜の月(後拾遺、源資通)
かは -------------- 今ははや変はらぬ松もかげふりぬ幾世かは経し志賀の山寺(師兼千首、花山院師兼)