24.3.4 特殊動詞
「V-ている」の形で「単なる状態」を表すのが基本的な使い方であるよう
な動詞、言い換えれば、基本形(+ます)の形では普通使われない動詞があり
ます。これらを(アスペクトに関して)「特殊動詞」と呼びます。形容詞に近
い動詞とも言えます。
山がそびえている。(×そびえる)
性能が優れている。(×優れる)
彼は丸い顔をしている。(×丸い顔をする)
「する」はふつうは継続動詞ですが、この「~顔をしている・大きい手をし
ている」などのように身体の特徴を表わす表現では「している」の形がふつう
です。似たような使い方ですが、
大きな顔をするな!
というのは、そのときの一時的な状態(態度?)ですから、ちょっと別です。
特殊動詞の基本形は、連体修飾の形では使われます。(→「56. 連体節」)
これを、基本形と「ている」の形との対立が連体修飾の位置では「中和」され
ている、といいます。
後ろにそびえる/そびえている 山々
その場合、「ある性質をもっている」という意味の場合はタ形になります。
優れた性能 とがった鉛筆 澄んだ水
「優れる才能/優れている才能」と言う人もいるかもしれませんが、あまり
使われません。なぜ過去形になるのか、学習者には分かりにくい用法です。
「読んだ本」のようなふつうの動詞の場合は、「読んだ」ということがその
前に起こったことが想定されている(この形は「過去」のことだけでなく、将
来のことにも使えます。「読んだ人は先に帰ってもいいです」のように。くわ
しくは「56.連体節」で。)のですが、「澄んだ水」の場合は、いつ「澄んだ」
のかという問い自体が成り立ちません。