「 牛乳を飲むと骨が弱くなる?!」
山田豊文
「牛乳を飲めば骨が丈夫になる」「肉を食べると体力がつく」・・・
我々が長い間、疑問も持たずに健康に良いと信じ、実行してきた健康法、それらは本当に体に良いのだろうか?その根拠はどこにあるのだろうか?
このコーナーでは、「健康の常識」を医学的立場から検証し、そのホントに迫っていく。
そもそも牛乳は体に合わない
私たちの食卓は、世界中から取り寄せられた食材で飾られるようになりました。
食べ物はお腹を満たすだけではなく、味覚や視覚、嗅覚を通して接することができる一つの文化でもあります。戦前の食糧事情があまりにも貧困だったというので、戦後になり牛肉や豚肉、鶏肉、卵、牛乳などの動物性食品や植物油の摂取が奨励されるようになりました。
従来の日本人の食事は米など炭水化物に偏り、タンパク質と脂肪が不足しがちでしたから、当初は栄養改善により栄養失調や感染症を大幅に減らすことにつながりました。
しかし、栄養も過剰になると、本来ヒトの体には、人種に応じてその土地で収穫されたものを効率よく栄養とするシステムが備わっているのです。
たとえば牛乳は、北欧を除く世界のほとんどの地域の人には適さない食品です。
なぜかというと、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解できなければ、タンパク質やカルシウムはその栄養素を適切に吸収することができなくなるからです。
この乳糖を分解する酵素をラクターゼといいます。
乳幼児のときは母乳中の栄養素を利用するためにラクターゼを作ることができますが、母乳の必要性がなくなるとともにラクトースを作る働きがだんだん弱くなります。
成人後にラクターゼを作ることができない状態を「乳糖不耐性」といい、黄色人種と黒人のほとんどはそうです。
乳糖不耐性では牛乳や乳製品を食べたときに乳糖が吸収できずに腸管にたまります。
それが腸壁に浸透圧をかけて水分を引き出して、お腹が張った状態にさせます。
また蠕動運動を促すため、お腹がゴロゴロしたり、下痢の症状を引き起こしたりするのです。
牛乳は「完全食品」といわれており、幼稚園でも小学校でも、そして家庭でも十分に飲ませるように指導されています。
たしかに牛乳200gにはカルシウムが200mg含まれていて、一日に三本の牛乳を飲むとカルシウムが600mg摂れる計算になります。
子どもに一日、1000mlのパック一本を全部飲ませるというお母さんもいるそうです。
カルシウムを摂るつもりで飲む牛乳ですが、逆にカルシウムが乳糖と一緒に排泄されてしまうという大きな問題を生じさせるモトになっているのです。