「週刊新潮」2010年03月18日号
特集 住人33%が中国人になった埼玉県「チャイナ団地」現地報告 【大小便するな、上からものを落とすな】、 と団地内に張り紙
埼玉県川口市の芝園団地。 全2400世帯のうち、3分の1を中国人世帯が占める。 文化・習慣の違いから、当然ながら、さまざまな場面で軋轢が生まれている。 外国人との共生というが、きれいごとでは済まない現実がここにある。 現場からのレポートである。
「ホラ、あのベランダごらんなさい。洗濯物干しがロープでしょう。 中国人の住んでいる部屋だってすぐわかる。 もうすぐ春になるとおじさんが上半身裸で、 部屋の中やベランダをウロウロするのが見えるよ」
広場のベンチに座った70代の男性住人は、団地を見渡しながら言う。
「痰や唾を吐くのは中国の空気が乾燥しているからかな、と思っていたら、 習慣なんだな。この団地でもよく吐いているよ」
チャイナタウンといえば、横浜中華街、神戸南京町、 長崎新地中華街が有名だが、近ごろ、住人の3分の1が中国人という “チャイナ団地”が、埼玉県南部に出現した。川口市の芝園団地である。
■■■ ゴミ出しができない ■■■ 和気あいあいと日中交流に励む住人がいるその一方、 中国人住民に対し、強い違和感を持つ日本人住人はかなり多い。
「もうお互いに理解しようなんて思わないから、
ルールだけは守って欲しい。ここは日本なんだから」 そんな突き放した言い方をする住人もいるほどだ。何が起こっているのか。
「まず中国人はゴミ出しができませんね」 というのは、芝園団地自治会の瀬川剛一会長(80)である。
「日本のマナーに同化しようという中国人は少ない。
中国も都市化が進んでいるので、ある程度の社会教育を受けていると思うし、 ここの中国人はホワイトカラーが多いのに、 マナーを守れないのはどういうことなのでしょうか」
彼らの多くは、分別などお構いなしに、ゴミを捨てる。
「生ゴミでも缶でもビンでも一つにまとめて燃えるゴミとして出してしまう。 それを毎日、掃除のおばさん達が袋を開けて仕分けしているんですよ」
こう言うのは、団地に住んで25年の男性住人だ。
「踊り場に置いてあるゴミ箱に生ゴミを捨てちゃうのもいる。 “生ゴミを捨てないで”という張り紙があっても捨てる。 ゴミ袋の中には中国文字のインスタントラーメンの袋とか、 中国食材店で売っている食料品の包み紙とかがあるので 彼らが捨てたとわかる。夏場など、ウッとなるほど臭い。勘弁して欲しい」
問題はゴミ分別や置き場所だけではない。 「もっと嫌なのは、自分の部屋の玄関先から廊下のゴミを掃きだすこと。 紙屑やホコリに混じって髪の毛なんかが廊下に掃きだしてあると気持ちが悪い」
とは団地内の掃除を担当する女性だが、粗大ゴミでもルールを守らないという。
「使わなくなったソファや椅子、古自転車、冷蔵庫などを 粗大ゴミとして市に引き取ってもらう、というルールを守ろうとしません。 市に払う310円のシール代金は他の自治体寄りも安いのですが、 お金を払ったり、電話をかけて引き取りに来てもらうのが面倒なんでしょう。 粗大ゴミを玄関ホールや各階のフリースペース、 非常階段の踊り場などに置き去りにしていきます。 私達がそれを回収して川口市に引き取ってもらっていますが、 その代金は居住者たちから集めている管理費から出ているのです。 日本人居住者が可哀相