時代になると日本には精神に続く肉体の変異が目立っようになったしかも次々と現れた多くの合併症のために支離滅裂なかたちで首相を選ぶ時代が始まったこうして小渕恵三から森喜朗をへてついに小泉政権が誕生してしまったのである実はこの小泉政権は日本を死に至らせる政権であり改革という名のもとに社会の崩壊をますます進ませているそしてついに郵政民営化関連法案の参議院否決で衆議院解散というコントロールさえ利かない状態になり議会政治の枠組みまで破壊してしまった本書はこの腐から死に至る時期を分析しカルテに記載された症候群に基づく所見をまとめて読みやすいレポートのかたちにしたものであるさて今の日本はゾンビが支配する国である腐から死に至る過程ではまともな人間は活躍できないためにゾンビだけが活気づいているのであるそして国民は自分たちの上に君臨するのがゾンビだとは気づかずに閉塞感で不安な気分で暮らしているこれはまさに悲劇そのものだから私たちはゾンビとは何かをどうしても理解しなければならないそれではゾンビとはいったい何であるのかこれが数学の世界での説明ならば解は上位の次元にありゾンビが最低の次元だとわかるしかしこれでは何のことだかはっきりしないのでいくつかの辞典に当たってみることにしたただし普通の辞典に当たってもゾンビの解説はないそこで思案して心霊研究辞典を開いてみたところそこには次のような解説があったゾンビハイチの言葉で黒魔術により死体を夢遊状態にして動かし生き返らす魔力をいうこの解説はなるほど納得できるという気分にさせてくれるなぜならすでにレイムダックだった自民党を生き返らせたのが総裁選挙における小泉政権の誕生でありあれは黒魔術だったと思えばよくわかるからであるしかしこれだけでは社会学的な議論にならないので今度は日米口語辞典でゾンビを引くと生ける屍とありその解説として次のような説明があった元の意味はヴードゥー教のまじないにより生きた姿を与えられた死体そこから精神的に死体も同然のヤツという俗語になったそれにしても最近の日本の政界は異様な空気に満ちている郵政解散から総選挙に至る過程はまさにゾンビが跋扈する世界ではなかったかここではもはやすべての秩序が失われあらゆるものが蠢き叫び徘徊したワルプルギスの夜だから今日に至るまでの一連の流れで私はゾンビという言葉とともにワルプルギスの夜を想起したワルプルギスの夜というのは毎年五月祭の前夜にドイツのハルツ山塊