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2000年12月31日20世紀最後の日として沸き立っていたこの日恐ろしい惨劇のニュースが飛び込んできた世田谷に住む会社員宅で一家が惨殺されたこの事件は年末気分世紀末気分に浮かれた日本に冷水を浴びせかけた事件からもうすぐ15年となる現在もいまだ解決の糸口はつかめず迷宮入りとなっているこの事件を追い続けたジャーナリストが世田谷一家殺人事件15年目の新事実を上梓したいったいなぜ犯人は見つからないままなのか？そしてつかんだ新事実とは？当初からその異常性が取り沙汰されたこの事件一家を惨殺するというだけでも十分に卑劣な犯行だが十数カ所のめった刺しにして殺害妻には70カ所以上の切り傷打撲痕などがあり顔は原形をとどめないほどに切り刻まれていたさらに長女に対しては殴打によって歯を砕き包丁で顔面を切り刻んだ挙げ句腹部をえぐるととても人間の仕業とは思えない方法で殺害されたのだったさらに犯人は推定犯行時刻から少なくとも数時間にわたって血まみれの被害者宅にとどまりペットボトルや冷蔵庫にあったメロンハムなどを平らげスプーンも使わずアイスをむさぼっていた書類の山を風呂場に投げ捨てたりトイレに大便を放置するなど犯行後の行動も常軌を逸していたのだこの事件は早期に解決するものと思われていた現場には犯人の指紋や血痕靴の跡トレーナーバッグ帽子など大量の遺留品が残されていたそれにもかかわらずこの事件が迷宮入りしたのはなぜか？その理由に初動捜査のミスを挙げる特捜本部は犯人を指紋や物証を随所にベタベタと残した賢くない粗暴な若者か精神に障害を持った人間と決め付け捜査の網を大きく広げて不審な人物の情報を掴むか病院で待ち構えていれば即逮捕できると油断したとしか思えないだが過去の未解決事件の多くがそうだったようにそうした先入観や思い込みに基づいて捜査を始めると警察関係者はもとより事件当事者や国民も事件の本質や犯人像について誤ったイメージを抱いてしまいそこに大きな落とし穴が待ち受けていることが多いのだそんな警察の捜査をよそに独自の取材で事件の深層を追及してゆくすると警察の見立てとは異なった人物像が浮かび上がってきた直接の取材を敢行するすると世田谷事件についてやたら詳しく軍人としてのキャリアがあることも判明何よりも指紋を採取し捜査当局が採取した指紋との照合を試みたところほぼ一致するという結果を得たしかし彼はあくまでも実行犯にすぎず本当の黒幕は別のところにいるという事件の主犯と目しているのは彼がカネダのおっちゃんと語り心酔していた人物カネダはキリスト教系宗教団体の幹部であり会社員宅が参加していた福祉グループでボランティアをしていたこのカネダを直撃すると追及に対してしどろもどろの釈明をしついに私がやらせたことじゃない本当の黒幕はBだと告白するBとは裏社会で暗躍する不動産ブローカーとも密接な付き合いのある資産家当時会社員宅は都立公園の拡張に伴って土地を東京都に売却するなどして１億数千万円に上る現金を持っていたこの金を狙ってBが犯行を計画しカネダが実行犯に指名して犯行が行われるその結末が一家の惨殺という悲劇だったのだ15年にわたって警察が動員した捜査員の数は延べ24万人それにもかかわらず解決への筋道はついていない捜査はいまだに続行されている