高校生に戻って通学している。校舎は知らない建物だ。
校門を抜けた大階段のあたりで予鈴が鳴り、昇降口の時計を見ると57分、スマホの画面の表示は55分で、2分早いなと思う。
クラスメイトは三年の時とほぼ同じだが、何人か小学校の同級生がまじっている。
ホームルームで、よく見知っている筈の同級生の女の子が転校生として紹介される。灰色のスーツを着ている。
1限目の国語の授業で漢字の書き取りテストが行われる。受け持ちは当時の数学教師で、やかましい先生だったのに何故か覇気がない。
回答用紙は黄緑色の固い紙でB4くらいの大きさ、解答解説の時間に「ヌ」の書き方を教えられる。
その「ヌ」は「叉」のような形で、明らかに一画多い。おかしいおかしいと思ううちに用紙が回収され、授業が終わる。
場面が切り替わり、自分は昔の友人が写った数枚の写真を見ている。背景は生白い感じの鍾乳洞で、彼はトロッコのようなものに乗ってこちらに視線を向けている。
自分は何故か嫉妬を感じ、出し抜かれたとも思っている。しかし写真を繰って一枚一枚見ていくうちにそうした気持は失せ、胸のうちは懐かしさと人恋しいような寂しさに満たされている。
ここで夢がやぶれた。