保守ついでに手元にドストの文庫(亀山郁夫訳)があるので書き出してみよう。
あなたたちは民衆を見逃したばかりじゃない
民衆にたいして、それこそおぞましいくらい侮蔑的な態度をとってきた。
それっていうのも、この民衆という言葉であなたたちが想像していたのは、
もっぱらフランス国民だけ、それもパリジャンしか頭になく、
ロシアの民衆が彼らに似ていないことが恥ずかしくてならなかったからです。これこそがまぎれもない真実です!
しかしです、民衆をもたないものに神なんて存在しない!
しっかり理解してほしいのは、自分の民衆を理解することをやめ、民衆とのつながりを失った人間は、ただちにそれに応じて父祖伝来の信仰も失い、無神論者になるか、無関心になるか、いずれかしかないってことです。