ウクライナ侵攻継続のため、ロシアで動員令に基づき徴兵された予備役が訓練を受けないまま多数戦死したことが判明し、プーチン政権が釈明に追われている。ロシア軍が支給するはずの装備品が消失するなどの混乱も発生、予備役らが自前で戦闘服や軍用靴を買い求める事態も起きている。
ロシア中部チェリャビンスク州当局は13日、徴兵された予備役5人が死亡したと発表した。9月21日に発布された部分動員令は「十分な訓練を受けた後に派遣される」(ショイグ国防相)としていた。英紙によると、北西部サンクトペテルブルクの予備役の弁護士が招集直後に戦死したとされる。
プーチン大統領は14日、訪問中のカザフスタン首都アスタナで、記者団から訓練なしの派兵を問われ「国家安全保障会議で調査する」と釈明した。また動員予定の30万のうち既に22万2000人が軍務に就き2週間以内に動員を完了するとの見通しを示した。
各地の軍事委員会は、通行人の男性に招集令状を手渡すなど動員ノルマの達成に躍起だ。独立系メディア「インサイダー」は15日、ロシア極東や沿海地方では地区軍事委の責任者が自殺したと伝えており、招集業務が重荷になっていた可能性もある。
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