季節外れの暑さや記録的豪雨などの異常気象に、地球温暖化はどのくらい影響しているのか。コンピューターによる分析の手法が大きく進化している。地域を絞った予測の充実で脅威を「自分事」と捉える機運が高まれば住民の行動も変わるかもしれない、と関係者は期待する。
◆1200年に1度→5年に1度の確率に
7月1日に群馬県桐生市で40.4度を観測するなど、6月下旬から7月初めに日本列島を襲った記録的に早い猛暑。この異常気象について、文部科学省や気象庁気象研究所の研究チームは9月6日、一つの分析結果の速報値を公表した。
「温暖化がなければ1200年に1度しか起こりえなかった非常にまれな現象が、約5年に1度にまで上昇していた」。発生確率が240倍になり、当たり前の現象になりつつあることを数値で可視化した。
研究チームの中核メンバーで気象研究所の主任研究官の今田由紀子さんにとっては、この結果に驚きはなかった。極端に暑くなる確率が非常に高まったという分析は過去にもある。「温暖化が進めば、40度超えが珍しくない時代がくるかもしれない」と話す。
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