ロシアのモスクワ航空研究所(MAI)は24日までに、元所長のアナトリー・ゲラシチェンコ氏が死亡したとの声明を発表した。ロシアでは企業幹部などの不審死が相次いでいる。
MAIの公式サイトによると、ゲラシチェンコ氏は9月21日に「事故で死亡」した。ゲラシチェンコ氏は2007年から15年にかけて同研究所の所長を務めていたという。
ゲラシチェンコ氏は同研究所に45年間勤務して昇進を重ねた。博士号や教授資格を持ち、現在のMAI所長の顧問も務めていた。
公式サイトによると、本件の調査委員会が立ち上げられ、教育科学省や国家労働監督官、MAIの代表者が参加する見通しだという。
ロシアでは1月後半以降、影響力のある人物が自殺や原因不明の事故で亡くなったとの報道が相次いでおり、ゲラシチェンコ氏は少なくとも10人目になる。10人のうち少なくとも6人はロシアの2大エネルギー企業の関係者だった。
この6人のうち4人はロシアの国営エネルギー大手ガスプロムやその子会社とつながりがあり、2人はロシア最大の民間石油・ガス企業ルクオイルの関係者。
ルクオイルは今年、ロシアのウクライナ侵攻に反対する異例の声を上げ、犠牲者の追悼と紛争の終結を呼び掛けていた。
https://www.cnn.co.jp/world/35193675.html