タイ警察は２１日、麻薬の密売やマネーロンダリング（資金洗浄）の疑いで、ミャンマー人とタイ人計４人を逮捕したと発表した。ミャンマー人は国軍向けの武器調達やホテル開発、エネルギー事業などを手がけ、国軍のミンアウンフライン総司令官とも近いトゥンミンラット容疑者とみられている。
発表によると、逮捕されたのは５３歳のミャンマー人の男と、３８歳～５０歳のタイ人の男女３人。いずれも名前や詳しい容疑は公表されていない。
タイ警察は麻薬密売の証拠を集めるため、関係各所を捜索。１７日朝、首都バンコクで４人の身柄を抑え、２億バーツ（７億７６００万円）以上の資産を押収した。犯罪ネットワークの全容解明を進めている。
ミャンマーの人権団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー（ＪＦＭ）」は消息筋の話として、ミャンマー人の男がトゥンミンラット容疑者だと指摘。麻薬密売の資金でタイ側から電力を買い、カジノを運営するタイ国境のミャンマー北東部シャン州のタチレクへ送っていたとしている。カジノでも資金洗浄をしていたとみられるという。
ＪＦＭの報道担当者は取材に「トゥンミンラット容疑者の逮捕は、主要な武器ブローカーを一般社会から排除するものだ」と評価。同容疑者はタイの上院議員とも関係が深いとされ「当局はさらに調査を進めてほしい」と述べた。
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