米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーサビアランス」に搭載された酸素資源活用実験機「MOXIE」を使い、火星で二酸化炭素を主成分とする大気から酸素をつくる実験が成功した。研究チームが8月31日の科学誌に発表した。
パーサビアランスは2021年2月に火星に着陸。MOXIEは同年4月にテストを開始して以来、7回の実験で酸素の生成に成功した。実験は火星の日中や夜間など時間や季節を変え、さまざまな状況下で実施した。
実験ではそれぞれ、1時間に6グラムの酸素を生成するという目標を達成した。これは地球上で1本の小さな木が生成する酸素の量に匹敵する。
MOXIEのプロジェクトを手がける米マサチューセッツ工科大学(MIT)のジェフリー・ホフマン教授によると、地球以外の惑星の表面にある資源を、人に役立つ成分に化学的に変換させることができたのは初めて。「その意味で歴史的」と同氏は評している。
MOXIEはトースターほどの大きさで、パーサビアランスに搭載して短時間の稼働を繰り返すことができる。パーサビアランスの探査スケジュールに合わせて始動させ、終了させることが可能。
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