自民党の甘利明前幹事長(麻生派)が会長の安倍晋三元首相を銃撃で失った安倍派(清和会、97人)について「誰一人、力もカリスマ性もない」などと指摘したことについて、安倍派が強く反発している。8月5日実施予定の安倍氏に対する追悼演説を、甘利氏が行うよう党が調整していることにも異論が出ている。
甘利氏は20日、自身のメールマガジンで、安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と述べた。そのうえで「今後、どう化けていくのかが注視される」と指摘した。
これに対し、安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は21日の安倍派会合で「こんなに侮辱されたことはない。これを黙っていたら、清和会はそうだと思われる」と激しく反発。数人の派閥議員を指さしながら「うちには多士済々の総裁候補がいるだろう」と述べた。
安倍派のベテラン議員は甘利氏が昨年の衆院選神奈川13区で落選し、比例代表で復活当選したことを指摘して「小選挙区で負けた人が外部からそんなことを言って、失礼な話だ」と憤った。他にも「自分が清和会の領袖(りょうしゅう)になってやるという意味か」「自分こそカリスマ性がない。発言が軽いと思われ、失笑、ひんしゅくを買っている」などと批判する声が相次いでいる。
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