【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)の欧州委員会は31日、サマータイム(夏時間)制度の是非をめぐり域内市民を対象に行った意見公募の暫定結果を発表し、制度廃止を支持する回答が84%を占めたと明らかにした。欧州委は今後、制度廃止に向けた提案をまとめる方針。
EUでは3月の最終日曜から時間を1時間進め、10月の最終日曜に戻すサマータイム制度を採用。だが、省エネ効果が薄い一方、健康への悪影響も指摘され、フィンランドなど欧州北部の加盟国や欧州議会で廃止論が高まっていた。
意見公募は8月半ばまでの約1カ月間行われ、過去最大の460万件以上の回答が寄せられた。回答の76%が時間の切り替えによって「悪い経験をした」と指摘。制度廃止を求める理由としては、主に健康への悪影響や交通事故の増加への懸念が挙げられた。
今回の結果に拘束力はないが、欧州委トップのユンケル欧州委員長は31日、独公共テレビZDFとのインタビューで「意見を求めながら、何もしないわけにはいかない」と表明。今後は欧州委が制度廃止の提案をまとめた上、欧州議会や加盟国に諮ることになる。
産経ニュース 2018.8.31 20:06
http://www.sankei.com/world/news/180831/wor1808310022-n1.html