アメリカ国務省は、中国に駐在していたアメリカの総領事館の職員が、異常な音を感じて体調不良に陥り、脳に損傷を負ったことを明らかにしました。去年には、キューバでも異常な音を聞いたという複数のアメリカ大使館の職員が体調不良を訴えていて、ポンペイオ国務長官は、症状が酷似しているとしています。
アメリカ国務省のナウアート報道官は23日、声明を出し、中国・広州の総領事館に駐在していた職員1人が、去年から先月にかけて異常な音などを感じて体調不良に陥り、帰国して検査した結果、脳に損傷を負っていることが判明したと発表しました。
これについて、ポンペイオ国務長官は、議会下院の公聴会で「症状がキューバと極めて似ている」と述べ、キューバに駐在していたアメリカ政府職員が異常な音を感じて体調不良に陥った問題と症状が酷似していると明らかにしました。
キューバでは去年、20人余りのアメリカ大使館の職員が頭痛などの体調不良に陥り、メディアは何らかの音響兵器による攻撃の可能性があると伝え、大きな注目を集めました。
またアメリカは、キューバ政府が外交官の保護を怠ったと批判し、アメリカに駐在する外交官の国外退去を要求するなど、外交問題に発展しました。
一連の問題の原因はわかっていませんが、国務省は、中国に滞在する国民に、異常な音を感じたら避難するよう呼びかけていて、この問題の真相究明が進むか注目されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180524/k10011450251000.html