ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は、原爆が投下された直後の長崎で撮影された少年の写真とともに「これが戦争の結末だ」というメッセージを添えたカードを配布するよう指示し、核廃絶を訴える法王の強い思いを示すものと欧米のメディアが報じています。
それによりますと、フランシスコ法王は、ローマ・カトリック教会が「世界平和の日」と定める1月1日に合わせて、原爆が投下された直後の長崎で撮影された少年の写真を掲載したカードを配布するよう指示したということです。
カードに掲載されたのは、死んだ弟を背負った少年が直立不動で立つ姿をアメリカ軍の従軍カメラマンが撮影した「焼き場に立つ少年」と呼ばれる写真です。カードには、「少年は、死んだ弟の火葬の順番を待っている。かみしめた唇とにじんだ血に少年の悲しみが表れている」という説明とともに、「これが戦争の結末だ」という法王のメッセージがサインとともに記されています。
フランシスコ法王は、これまでにも「人類は広島や長崎から何も学んでいない」などと日本の被爆地に言及して核兵器を批判してきたほか、核兵器禁止条約の実現に貢献したICANがノーベル平和賞を受賞したことを評価して核廃絶を訴えています。このカードについて各メディアはこうした法王の強い思いを示すものだと伝えています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180102/k10011277371000.html