南海トラフの巨大地震による津波に備えようと、和歌山県美浜町に、最大で2000人が一時的に避難できる人工の高台が完成しました。
高台が完成したのは美浜町の海岸沿いにある松原地区で、23日は地元の人たちなど関係者およそ50人が出席して完成を祝う式典が行われました。
和歌山県の想定では、南海トラフの巨大地震が発生した場合、美浜町には最大で17メートルの津波が押し寄せ、松原地区は最大11メートル余りの高さまで浸水するとされています。
松原地区は付近に高台がなく、津波が来る前に安全な場所に逃げることができない津波避難困難地域に指定されていることから、町では地区の国有地に土を盛り高台を造る工事を進めていました。
町によりますと、高台は高さ15.5メートル、広さ2400平方メートルと国内有数の規模で、最大で2000人が一時的に避難できます。
また、食料や毛布などを備えた備蓄倉庫をはじめ、水道が止まっても仮設トイレとして使える「マンホールトイレ」や、かまどとして使えるベンチも設置されています。
地元の自主防災会の村岡茂会長は「逃げる場所がなかったこの地区に立派な高台ができ、うれしいです。みんなで訓練を重ね、全員が逃げられるようにして津波に備えたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171123/k10011233181000.html