EU=ヨーロッパ連合からの離脱の方針などが争点となったイギリスの総選挙は、これまでの開票の結果、与党・保守党が第1党にはとどまるものの、過半数の議席を維持できないことが決まりました。メイ首相はすでに政権を維持する意向を示していますが、選挙の結果の責任を問う声が強まることが予想され、EUからの離脱に向けた交渉にも影響を及ぼすことは避けられない情勢です。
8日、投票が行われたイギリス議会下院の総選挙は開票作業が進み、日本時間の午後5時50分現在、議会下院の650議席のうち649議席が確定しました。
その結果、与党・保守党が318議席、最大野党の労働党が261議席、スコットランド民族党が35議席、自由民主党が12議席、などとなり、保守党はこれまでの330議席から議席を減らし、過半数の326議席を維持できないことが決まりました。
メイ首相は、9日午前、日本時間の9日夜に首相官邸で記者会見をするものと見られますが、すでに政権を維持する意向を示しており、このあと北アイルランドの地域政党の協力などを得て、議会での多数派工作を試みるものと見られます。
しかし、福祉政策などをめぐって政党間で立場の違いもあり、新しい政権の枠組みをめぐる協議が難航すれば、選挙の結果について責任を問う声が強まることも予想されます。
また、今月中旬から始まる予定だったEUからの離脱に向けた交渉にも影響が出るのは避けられない情勢で、メイ首相は難しいかじ取りを迫られることになります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170609/k10011012351000.html