関芳弘環境副大臣は11日、首相官邸で開いた副大臣会議で、地球温暖化防止のため職場で軽装を促す「クールビズ」の設定温度の見直しを検討する考えを示した。関氏は冷房時の室温28度という基準について「実はかなり不快だ。無理があるのではないか。科学的知見を加えるよう検討する」と述べた。
会議では、導入時に環境省の担当課長だった盛山正仁法務副大臣が「科学的知見をもって28度に決めたのではない。何となく28度という目安でスタートして、それが独り歩きしたのが正直なところだ」と発言。これを受け、関氏が見直しを検討する考えを示した。
関氏の考えを受けて萩生田光一官房副長官も「28度だと人によっては汗をかいて、洗濯物が増える」と述べ、環境省に見直しの検討を求めた。ただ「クールビズはせっかく定着しているのだから、設定温度などは緩やかに根拠のあるものに変えていこう」とも語った。
関氏の発言後、環境省の担当者は「28度はあくまで目安。現時点で見直す議論の予定はない」と話した。
菅義偉官房長官も11日の記者会見で「(部屋全体か空調かなど)どこに28度を設定するかで違ってくる。皆さんの過ごしやすい温度でいいのでは」と述べた。
クールビズは職場で冷房の設定温度を上げ、ノーネクタイなどの軽装で働くよう促す取り組み。2005年に始まり今年が13回目で、今月1日から9月30日まで実施する。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H4Z_R10C17A5CR0000/