資源エネルギー庁は、日本の近海に分布する、天然ガスと水が結びついたメタンハイドレートについて、4年ぶりにガスの取り出しに成功したと発表しました。
発表によりますと、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、4日午前10時ごろ、愛知県と三重県の沖合で、水深1000メートルの海底からさらに350メートルほど掘った地層にあるメタンハイドレートからガスを取り出すことに成功しました。
メタンハイドレートは、天然ガスと水が結びついてシャーベットのような状態になった天然資源で、日本近海に広く分布していると見られ、純国産のエネルギーとして実用化が期待されています。
この海域には、国内の天然ガス使用量の10年分に相当するガスを含むメタンハイドレートがあると試算されていて、4年前に世界で初めてガスの取り出しに成功しましたが、ガスを引き上げるパイプに砂が入るトラブルがあり、6日間で作業を終了しています。
今回は、パイプの周りに特殊な合成素材を巻きつけるなどの対策をとり、およそ1か月間、ガスを連続して取り出せるか、調べることにしています。
国は、来年度をめどにガスを取り出す基礎的な技術をまとめたい考えで、商業生産の実現に向けては、コストを大幅に下げたうえで、ガスを安定的に採取する技術を確立できるかが課題となります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170504/k10010970831000.html