韓国の裁判所は31日未明、パク・クネ(朴槿恵)前大統領に対して、収賄などの疑いで検察が請求していた逮捕状を出し、前大統領は逮捕されました。韓国の大統領経験者が逮捕されたのは、22年ぶり3人目です。
パク・クネ容疑者は、最大の財閥サムスングループから、約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取った収賄の疑いなどで、先週事情聴取を受けていましたが、韓国の検察は「大統領の地位と権限を利用した事件は重大で、証拠隠滅のおそれもある」などとして、ソウルの裁判所に逮捕状を請求しました。
これを受けて裁判所は、30日午前10時半から逮捕状を出すのが妥当かどうかを判断する審査を開始しました。
パク前大統領は、弁護士とともに8時間余りにわたって審査に出席し、この中で、容疑を改めて否認するとともに、証拠隠滅のおそれもないと主張したものと見られます。
このあとパク前大統領は、30日午後7時半ごろ、車で裁判所を出て、同じ敷地内にある検察の建物に移動し、待機していました。
裁判所は、パク前大統領が退席したあとも審査を続けていましたが、31日午前3時すぎ、逮捕状を出し、前大統領は逮捕されました。
ソウル中央地方裁判所は「主要な容疑が認められると考えられ、証拠隠滅のおそれがある。逮捕の必要性や妥当性が認められる」と説明しています。
韓国の大統領経験者が逮捕されたのは、1995年のチョン・ドゥファン(全斗煥)、ノ・テウ(盧泰愚)両氏以来、22年ぶり3人目です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170331/k10010931721000.html