[ロンドン 29日 ロイター] - 英国のメイ首相は29日、欧州連合(EU)基本条約(リスボン条約)50条を発動し、EUに対して離脱を正式に通知した。通知書簡がトゥスクEU大統領側に手渡された。これにより向こう2年間の離脱手続きが開始した。
メイ首相は議会で「50条に基づく離脱手続きが英国民の意向に沿って始まった。英国はEUを離脱する」とし、「これは歴史的な瞬間で、後戻りすることはない」と語った
メイ首相は前日、6ページからなるEU離脱を通知する書簡に署名。この日、英国のティム・バロー駐EU大使がブリュッセルでトゥスクEU大統領に手渡した。
書簡のなかでメイ首相は「EU離脱の条件とともに、将来的なパートナーシップの条件についても合意する必要がある」とし、英国がEUと野心的な自由貿易協定の締結を望んでいることを表明。「英国が合意なしにEUを離脱すれば、世界貿易機関(WTO)ルールに従って貿易を行うということが基本姿勢となる」とした。
トゥスク大統領は書簡の受領後、EU加盟国の国民、および企業に対する英離脱によるコストを最小限にとどめるとの意向を表明。48時間以内に他のEU加盟27カ国に交渉ガイドラインの草案を送付する。27カ国の駐EU大使は今後ブリュッセルで会合を開き、対応を協議する。
ただ、EU単一市場へのアクセスや銀行免許のほか、移民などの問題をめぐり交渉は難航が予想される。独外務省報道官は「(交渉の)時間枠は非常に狭まっている」と指摘。特に今年はフランスとドイツで選挙が控えていることで見通しの不透明感は高まっている。
http://jp.reuters.com/article/britain-eu-may-idJPKBN1701P2