「あ~だめだめ。糸こんにゃく(しらたき)は肉から離して入れなきゃ、肉が硬くなっちゃうよ」。すき焼きを巡り、こんな会話を交わしたことはないだろうか? 日本こんにゃく協会(東京都千代田区)は、この長年の誤解に終止符を打つべく調査を実施。「糸こんにゃくがすき焼きの肉を硬くするのは誤解」とする結果を23日、発表した。
糸こんにゃくに含まれるカルシウムのアルカリ性が肉を硬くすると考えられてきた。日本食品標準成分表によると、水洗いした糸こんにゃくに含まれるカルシウム成分は焼き豆腐の半分ほど。それでも飲食店などでは、でんぷんで作る春雨やくず切りで代用することもある。「高カロリーのすき焼きには、低カロリーの糸こんにゃくが適している。根拠のない風評で、使わないのはもったいない」と、食品環境検査協会に調査を依頼した。
調査は、霜降りの多い国産和牛と霜降りの少ない米国産の肩ロース肉を使用。糸こんにゃくの有無や下処理の状態を変えてすき焼きを作り、肉の硬さの違いを調べた。その結果、糸こんにゃくの影響は見られず、肉の硬さは加熱時間と肉の霜降り度合いが大きいと結論付けた。
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