弁当チェーン「ほっともっと」の店長だった30代の女性が、管理職であることを理由に残業代が支払われなかったのは不当だとして、運営会社プレナス(福岡市)に未払い残業代など約510万円を求めていた訴訟の判決が2月17日、静岡地裁であった。裁判所は、女性は管理監督者には当たらないとして、プレナスに約160万円の支払いを命じた。
争点になったのは、女性が「名ばかり管理職」かどうかだ。労働基準法上、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いが、肩書き上「管理職」であったとしても、実態が伴っていなければ、残業代を支払わなくてはならない。
裁判所は、女性の年収が約320万円程度と本社の社員(非管理職)よりも低かったこと、店舗運営についての裁量が少なかったことなどから、管理監督者とは言えないと判断した。
女性は代理人を通じて、「この判決を受けて、会社には店長の労働条件を管理して、残業代を支払い、働く環境を整備してほしい」とコメントした。