【ベルリン時事】18日のベルリン市議会選挙で「反難民」を掲げる新興右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、国政与党が大きく後退した結果を受け、ドイツのメルケル首相は19日の記者会見で、中東などからの難民受け入れ対応に問題があったことを認めた。
難民への寛容姿勢を貫く首相の方針には、国民の不満が根強い。首相としては、こうした世論に配慮することで、来秋の連邦議会(下院)選までに国民の反発を和らげたい考えとみられる。
首相は会見で、昨年殺到した難民の問題を十分に管理できない時期があったとし、「あの状況の再来は、私を含め誰も望んでいない」と強調。「できることなら時計の針を何年も戻し、政府全体で備えをしっかりし直したいくらいだ」と率直に語った。
難民受け入れの決意を込めて首相が昨年用いた「われわれは成し遂げられる」というスローガンについても、「ほとんど空虚な決まり文句」になってしまったと指摘。今後は使用を控える考えを改めて示した。
ただ、人道的見地から難民に国境を開いた判断自体は「完全に正しかった」と明言。連立与党の一部から出ている受け入れ上限設定要求をのまない立場も崩しておらず、今回の「反省」が首相と与党の人気回復にどの程度つながるかは不透明だ。
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