南シナ海を巡り中国がほぼ全域の管轄権を主張しているのは国際法上認められないとしてフィリピンが申し立てた仲裁裁判の判断が7月12日に示されることになり、この問題で初めてとなる国際的な司法判断に注目が集まっています。
南シナ海を巡っては、中国がほぼ全域の管轄権を主張しているのに対し、フィリピンは「国際法上、認められない」などとして仲裁裁判を申し立て、国際的な司法判断を求めています。
この審理を行ってきたオランダのハーグにある仲裁裁判所は29日、フィリピンの申し立てについての判断を7月12日に示すと発表しました。仲裁裁判では、フィリピン側が、中国が「歴史的な権利」として南シナ海に独自に境界線を設定してその内側の海域の管轄権を主張しているのは国際法上根拠がなく無効だと訴えているほか、中国が南シナ海で造成している人工島には排他的経済水域などの海洋権益は認められないなどとしています。
これに対して中国側は、当事国どうしの協議で解決すべき問題だとして審理への参加を拒否し、仲裁裁判所のいかなる判断も受け入れないとの立場を強調しています。
南シナ海では、中国が軍事的な活動を活発化させていて、関係国の間で懸念が高まっており、初めて示される国際的な司法判断に注目が集まっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160630/k10010577591000.html