活発な前線の影響で宮崎県と熊本県では断続的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り、降り始めからの雨量は、多いところで500ミリを超えています。気象庁は、九州では数年に一度しかないような記録的な大雨となり災害の危険が迫っているとして川の氾濫や土砂災害に厳重に警戒し、安全を確保するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、西日本に停滞している前線の活動が活発になっている影響で、大気の状態が非常に不安定になっています。
この時間、発達した雨雲は近畿地方にかかり、午前6時半までの1時間には、和歌山県古座川町の西川で50ミリの非常に激しい雨を観測したほか、大阪・河内長野市で31ミリの激しい雨が降りました。
宮崎県と熊本県では、21日明け方にかけて断続的に猛烈な雨が降り、宮崎県では県が設置した雨量計でいずれも午前3時50分までの1時間に、綾町で148ミリ、小林市野尻町で124ミリの猛烈な雨を観測しました。
また、熊本県では甲佐町で午前0時19分までの1時間に150ミリの雨を観測したほか、レーダーによる解析で熊本市西区付近、阿蘇市付近など広い範囲で1時間の雨量が100ミリを超えたとみられます。
19日の降り始めからの雨量は、多いところで500ミリを超えるなど、各地で土砂災害の危険性が高まっていて、熊本県と宮崎県、鹿児島県、愛媛県では土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
また、広島県と熊本県、それに山口県では氾濫の危険性が高い、「氾濫危険水位」を超えている川があります。
大気の非常に不安定な状態はこのあとも続き、西日本では、21日昼ごろにかけて、関東と東海、伊豆諸島では夕方にかけて1時間に50ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。
22日朝までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで、九州南部で150ミリ、東海で120ミリ、九州北部と近畿、関東で100ミリ、中国地方と四国で80ミリなどと予想されています。
気象庁は西日本と東日本の各地で土砂災害や川の増水などに警戒し、特に九州では数年に一度しかないような記録的な大雨となり災害の危険が迫っているとして川の氾濫や土砂災害に厳重に警戒し、安全を確保するよう呼びかけています。
また、落雷や竜巻などの突風、それにひょうなどにも十分、注意するよう呼びかけています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160620/k10010563461000.html