イラクのアバディ首相は、過激派組織ＩＳ＝イスラミックステートが２年以上にわたって支配し、首都バグダッドへの攻撃の拠点にしてきた、ファルージャを奪還したと宣言し、ＩＳはイラク国内での影響力を大幅に失うものとみられます。
イラク政府は、過激派組織ＩＳが２年以上にわたって支配し、イラクでの拠点の１つとしてきた、中部の都市ファルージャの奪還に向けて、先月下旬から大規模な軍事作戦を続けてきました。
これについてイラクのアバディ首相は１７日夜、テレビで演説を行い、「約束していたとおり、われわれの部隊がファルージャを解放した」と述べ、奪還作戦の成功を宣言しました。そのうえで、アバディ首相は「ＩＳに告ぐ。イラクにＩＳの居場所はない」と述べたうえで、北部にあるＩＳ最大の拠点モスルの奪還に向けた作戦でも勝利を収めると強調しました。
ＩＳは、首都バグダッドに対するテロ攻撃の拠点としてきたファルージャをイラク側に奪還されたことで、イラク国内での影響力を大幅に失うものとみられます。
イラク政府軍によりますと、軍などの部隊はファルージャ中心部の行政庁舎や議会などが集まる地区を完全に制圧し、残るＩＳ戦闘員の追跡を続けているということです。
イラク政府は今後、戦力をモスルに向けて集中できることになり、隣国シリアで有志連合などが続けているＩＳに対する軍事作戦にも弾みがつくことになります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160618/k10010560621000.html