中国・北京の小学校で、「鼻血」や「めまい」などの症状を訴え、体調を崩す子どもたちが相次いでいます。同様の事態が中国各地で起きていて、「毒学校問題」として保護者に不安が広がっています。
「子どもたちを助けて!」
小学校の前で声を上げているのは我が子をこの学校に通わせている母親たちです。北京中心部にあるこの小学校では、4月ごろから「鼻血」や「めまい」などの症状に苦しむ子どもたちが相次いでいます。
「目が充血したり、鼻血が出たりした。体調不良でご飯も食べられない」(小学生)
「(クラスに)きのうは9人しか来なかった」(小学生)
異常はないものの親が大事を取って休ませている児童を含め、現在7割以上が欠席しているといいます。なぜ体調を崩す子どもたちが相次いでいるのでしょうか?
「グラウンドに入ると刺激臭がしたので、私たちはグラウンドを疑っています」(保護者)
原因とみられているのが、学校の「グラウンド」です。
「この柵の向こう側に見えるのが問題となっているグラウンドです。数日前、この周囲では鼻を突くようなにおいが立ち込めていたということです」(記者)
去年始まったグラウンドの改修工事で使われたプラスチック素材が健康被害の原因ではないかと指摘されています。こちらは、別の学校で、突然、鼻血が出たという女の子の写真です。中国では、学校のグラウンドにゴムやプラスチックなどの人工素材を敷くことが多く、同じような健康被害の例が全国で相次いでいます。
メディアは、「毒グラウンド」「毒学校」と大きく取り上げています。中国共産党の機関紙、「人民日報」のネット版は6日、「コスト削減のために工事で有毒物質が使われることがある」と指摘しました。
北京の小学校では、このところの気温の上昇によって、有毒物質の放出が一段と進んだ可能性があるといいます。
「うちの子は、ひと月に3回ほど熱を出しました」(保護者)
この学校の保護者が行った調査によりますと、調査に参加した児童の85%に「鼻血」、「めまい」や「皮膚のかゆみ」などの症状が出ているほか、血液検査を受けた児童の65%に白血球や血小板などの異常がみられたということです。
「(学校からの説明は?)休みになることだけで、他は何の連絡もありません」(保護者)
今のところ、学校から詳しい説明はなく、保護者達の不安は募るばかりです。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160606-00000070-jnn-int