東京電力福島第一原発事故の発生当初、汚染水を保管するスペースがなく、その重要な解決策として期待された人工の浮島「メガフロート」が処分される方針が決まった。静岡市で海釣り公園として使われていたのを移設したが、最近は邪魔もの扱いされることが多くなっていた。
メガフロートは全長約百三十六メートル、全高約三メートル、全幅約四十六メートルの大きさ、内部には約一万トンの貯水容量がある。東電が静岡市から約五億円で買い取り、二〇一一年五月に福島第一に到着した。津波による大量の海水が流れ込んだ5、6号機の濃度の低い汚染水を貯蔵する先になり、約八千トンが入れられた。
しかし、係留されていた岸壁は、船が次々と資機材を運んでくるようになり、メガフロートは港湾の北側に追いやられた。一二年十二月までには、貯蔵されていた低濃度汚染水は地上タンクに移送され、放置されてきた。
東電によると、津波が再来した際に漂流物になる危険性があるとして、撤去する方針を決めた。撤去方法としては、(1)現場で解体する(2)港湾内に沈める(3)どこかにえい航して解体-の三通りが考えられているが、具体的には決まっていない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016052202000147.html