【ワシントン=川合智之】米国防総省のデービス報道部長は18日、17日に南シナ海で中国軍機2機が米軍偵察機の飛行を妨害したことを明らかにした。米メディアによると、中国軍機は米軍機の15メートル以内に接近したという。同省は「危険な事案」として調査を始めた。
米軍機の公海上空の定期巡回中に発生した。米中両政府は2014年8月に発生した中国軍機の異常接近を機に、軍用機の衝突を避ける行動ルールを策定。昨年は「中国の行動に進展がみられた」と米側は評価していたが、再び異常接近が発生したことで同省は外交・軍事ルートを通じて懸念を伝えた。
中国は南シナ海で人工島を造成し、滑走路の建設やミサイルやレーダーの設置など軍事拠点化を進めている。人工島の12カイリ(約22キロメートル)内を領海と主張しているが、米は領有権は存在しないとして、艦船や航空機を派遣する「航行の自由」作戦を昨年10月から展開している。
米軍は10日に3回目の同作戦を実施したばかり。今回の異常接近は中国が作戦継続をけん制した可能性がある。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H2G_Z10C16A5EAF000/