戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる安全保障関連法が、29日、施行されました。政府は、国連のPKO活動に参加する自衛隊の部隊などに法律に基づく新たな任務を付与することについては、隊員の安全確保などのために周到に準備する必要があるとして、ことしの秋以降、慎重に判断していくことにしています。
去年9月に成立し、戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる、安全保障関連法は、29日に施行されました。
この法律によって、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」の際に、日本が直接攻撃をされていない場合でも、集団的自衛権を行使し、武力を行使できるようになります。
また、国際貢献のための外国軍隊への後方支援は、そのつど法律を作らなくても活動が可能になるほか、国連のPKO活動では、他国の部隊などが武装集団から危害を加えられそうな場合に自衛隊が武器を使って救援する「駆け付け警護」などが可能になります。
さらに、共同訓練などの際に、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態が起きた場合は、アメリカの艦船などを武器を使って防護することや、活動する国の同意があるといった要件の下、海外で邦人を救出する活動も可能になります。
政府は、「部隊行動基準」という、自衛隊が行動できる地理的範囲や武器の使用方法を任務ごとに定めた規則などを、今後3か月程度かけて策定することにしています。
そして、それらを基に、ことしの夏以降、訓練を重ねるなどして、隊員の安全確保などに向けた周到な準備を行うことにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160329/k10010459831000.html