内戦が続くシリアで、過激派組織IS=イスラミックステートが支配してきた世界遺産のパルミラ遺跡を政府軍が完全に奪還し、破壊された遺跡の修復や復元に向けて専門家による調査が行われることになりました。
シリア政府軍は27日、国営テレビを通じて声明を出し、ISに支配されてきたシリア中部のパルミラから、ISの戦闘員を撃退し、世界遺産に登録されているパルミラ遺跡を含む全域を奪還したと発表しました。
アサド大統領「戦略の成功」
シリア国営テレビによりますと、ISからパルミラを奪還したことを受けて、アサド大統領は「パルミラの解放は、テロとの戦いにおける戦略の成功を示している」と述べ、成果を強調しました。
シリアでは先月から政府軍と反政府勢力の間でおおむね停戦状態が続いていますが、ISなどは停戦の対象外となっていて、政府軍はロシア軍の空爆の支援を受けてパルミラの攻略を進めていました。
パルミラは軍事的にも東西を結ぶ戦略上の要衝で、政府軍はパルミラを足がかりに、ISが今も広い地域を支配する東部のデリゾール県や北部のラッカ県などの奪還につなげたいとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160328/k10010458731000.html