近年になって日本に入ってきた外来種のマダラコウラナメクジの目撃情報を、「ナメクジ研究者」の宇高寛子京大理学研究科助教が募っている。「ナメクジ捜査網」と名付けたプロジェクトで、外来種が日本に適応していく過程をリアルタイムで観察できる貴重な事例になるという。宇高助教は「ヒョウ柄で大きいナメクジを見つけたら一報を」と呼び掛けている。
欧州原産のマダラコウラナメクジは、2006年に茨城県内の民家の庭で見つかったのが国内での最初の発見例。これまでに福島、長野、北海道の4道県で確認されているが、自らこの地域だけに移動したとは考えられず、生息域が拡大している可能性が高いとみられる。
ナメクジの生態や生活史を研究する宇高助教は昨年10月、自身のホームページや短文投稿サイト「ツイッター」で目撃情報を募り始めた。現時点で国内のどこに生息しているかを正確に把握した上で、時間がたつにつれて生息域がどのように変化していくかを調べるのが目的だ。ホームページには、他種との見分け方もまとめている。
日本では、戦前は外来種のキイロナメクジがよく見られたが、戦後に持ち込まれたチャコウラナメクジが定着するにつれ、キイロナメクジは姿を消した。宇高助教は「今後、マダラコウラナメクジが他の種と置き換わるかもしれない。京都や滋賀にも、既にすみ着いている可能性も十分にある」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20160212000058
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