サウジアラビアがイスラム教シーア派の指導者の死刑を執行したことに反発したデモ隊によって、イランにあるサウジアラビア大使館が襲撃されたことを受けて、サウジアラビアのジュベイル外相は首都リヤドで記者会見を開き、「イランとの外交関係を断絶する」と発表しました。
イスラム教スンニ派の大国、サウジアラビアが、政府への抗議デモを主導したなどとして、シーア派の指導者のニムル師の死刑を執行し、これに反発したシーア派のイスラム教徒たちが中東各地で抗議デモを行い、このうちシーア派の大国、イランの首都テヘランでは、デモ隊がサウジアラビア大使館を襲撃して火をつけました。
これを受けて、サウジアラビアのジュベイル外相は3日、首都リヤドで記者会見を開き、「イランとの外交関係を断絶する」と発表し、そのうえで「イランの外交団に48時間以内にサウジアラビアを退去するよう求める」と述べました。さらにジュベイル外相は、「イラン側がサウジアラビア大使館が襲撃されることを止めなかった」と指摘し、イランの対応を強く非難しました。
サウジアラビアとイランの間では、シリアやイエメンの情勢のほか、サウジアラビアの聖地メッカ郊外で多数のイラン人巡礼者が死亡した事故などを巡って対立が続いていて、サウジアラビアが外交関係を断絶すると発表したことで、両国の間で緊張が一層高まることが懸念されます。
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