イラクで、過激派組織IS=イスラミックステートが支配してきた都市の完全な奪還に向けて総攻撃に乗り出した政府軍は、街の中心部に入りましたが、IS側の反撃を受け、激しい戦闘が続いています。
イラクの政府軍は、西部アンバール県の拠点都市ラマディを過激派組織ISから完全に奪還するため、22日、総攻撃に乗り出しました。
イラク国営テレビによりますと、政府軍はアメリカ主導の有志連合による空爆の支援を受けながら、ラマディを囲むように流れるユーフラテス川とその支流を渡って、街の中心部に入りました。そして、激しい戦闘で、これまでにISの戦闘員30人余りを殺害しましたが、IS側の車を使った自爆攻撃などによる激しい反撃を受け、政府軍側も10人余りの死者が出ているということです。ラマディは、シリア国境から首都バグダッドに至る幹線道路が通る要衝で、ことし5月以降、ISの支配下に置かれていましたが、今月に入って政府軍が中心部以外の広い地域を取り戻していました。
ただ、ISは中心部で住民をいわゆる「人間の盾」にして立てこもっているということで、政府軍は慎重に作戦を進めなければならず、ラマディ全域の奪還を実現するには時間がかかるとみられています。
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