人間社会に疲れた私たちを癒してくれるイヌは、もとをたどればオオカミだ。だが、オオカミが人類の友になった過程は長らく分かっていなかった。
イヌの起源について、有力な説は主に2つある。ひとつは人類が1万年前~3万2000年前に、おそらく東アジア南部のどこかでオオカミの家畜化を始めたというもの。これは、母から子へと受け継がれるミトコンドリアDNAを調べる研究による。そしてもうひとつは、イヌの家畜化が始まった場所はヨーロッパか中東というものだ。こちらはほかの遺伝子マーカー(ゲノム上に分散するDNAの断片など)を調べた別の研究の結果である。(参考記事:「イヌとヒトは共に進化した」、「イヌ家畜化の起源はヨーロッパか」)
はたしてどちらが正しいのだろうか。この謎を解明すべく、オオカミ・イヌ計58頭のすべてのゲノム配列を解読する研究が行われ、12月15日付けの科学誌「セル・リサーチ」に発表された。(参考記事:「イヌの遺伝子を科学する」)
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http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/122100372/