小惑星探査機「はやぶさ2」が3日、地球の引力を使って軌道を変更し、加速する「地球スイングバイ」のため、地球へ接近する。打ち上げからちょうど1年、久しぶりに地球へ近付くはやぶさ2の雄姿を記録しようと、国内外の天文台がはやぶさ2の撮影に挑む。
地球スイングバイは、地球をかすめて通ることによって、地球の引力と地球が公転するスピードを利用し、ほとんど燃料を使わず軌道や速度を変える探査機の航行技術。昨年12月3日に打ち上げられたはやぶさ2が、地球と火星の間の軌道にある目的地の小惑星リュウグウへかじを切る重要なミッションだ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した最新の軌道では、最接近は3日午後7時8分ごろ、米ハワイ上空の3090キロを通過する。はやぶさ2は3日、地球へ接近しながら早朝に米西海岸から太平洋を横断し、正午ごろに日本上空を通過。その後、ロシア上空でUターンし、シベリア上空から太平洋を南下して南極へ抜ける航路を飛行する。
はやぶさ2の機体は小さく非常に暗いため、肉眼では見えない。一方、太平洋上を通過するため、大きい望遠鏡や高感度カメラで日本から撮影できる可能性がある。「撮影キャンペーン」を実施する日本惑星協会によると、北海道から沖縄までの30カ所以上の天文台、海外でも米国、ニュージーランドの天文台が撮影に挑む。日本気象協会によると、3日は二つの低気圧の影響で全国的に荒天だが、関東地方や太平洋側の一部で午後から晴れるという。