「一票の格差」が最大2・13倍だった昨年12月の衆院選小選挙区は、投票の平等に反しており憲法違反だとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた17件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は25日、選挙は「違憲状態」とする判断を示した。選挙無効の請求は退けた。
最高裁が違憲状態と判断したのは、2009年、12年の衆院選に続いて3回連続。
弁護士グループは、昨年の衆院選の直後に、全295の小選挙区を対象に提訴した。昨年の衆院選は、都道府県にまず1議席ずつ割り振ることで、人口の少ない地域に議席を重点配分する「1人別枠方式」を廃止し、議席を「0増5減」して行われた。この結果、一票の格差は12年衆院選の最大2・43倍からわずかに縮小した。こうした国会での選挙改革の取り組みを、どう評価するかが争点となった。
最高裁は、0増5減をした後の選挙も、憲法が求める投票価値の平等に反する違憲状態だったと判断した。一方で、国会による改革が行われたとして、選挙自体が「違憲」とは認めなかった。判例では、違憲状態が続き、是正のために必要な合理的な期間を過ぎると違憲となる。
昨年の衆院をめぐっては、全国の高裁・支部が今年3~4月に出した17件の一審判決で、「違憲」が1件、「違憲状態」が12件、「合憲」が4件と判断が分かれていた。
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