上海株が復調の気配を見せるなど一時のパニックは収まったようにみえる中国経済だが、実体経済は厳しさを増している。国営企業を含む社債などのデフォルト(債務不履行)状態が相次ぎ、輸出や輸入が大幅に落ち込むなど、チャイナショックが「二番底」を迎えつつある。(夕刊フジ)
(中略)
国営企業も事実上、初のデフォルト状態となった。10月19日、大手資源商社の中国中鋼集団(シノスチール)が20億元(約389億円)の社債が返済できず、支払いを延期している。政府が救済に乗り出すとの見方もあるが、巨額の負債を抱える国有企業はほかにも多く、習近平政権が進める国有企業改革の有名無実ぶりが露呈する可能性もある。
中国経済の失速ぶりは鮮明だ。中国税関総署が発表した10月の貿易統計によると、輸出が前年同月比6・9%減、輸入は18・8%減と大幅に落ち込んだ。輸出と輸入を合わせた貿易総額のマイナスは8カ月連続で、減少幅は9月の11・4%よりも拡大している。
1~10月累計の貿易総額は前年同期比8・5%減となった。年間で6%増とする政府目標を大きく下回っており、目標達成はほぼ絶望的な状況だ。国・地域別で見ると、日本は11・2%減と引き続き低調。欧州連合(EU)は8・3%減少した。
中国企業のデフォルトの波は収まりそうもない。
http://www.sankei.com/world/news/151111/wor1511110006-n1.html