地球温暖化の結果、イラン・イラク・サウジアラビア・アラブ首長国連邦などのペルシャ湾沿岸地域では、高温多湿化が30年後には、人間にとっての「限界」に達する可能性があるという研究結果が発表された。
現行の気候モデルは、地球温暖化によって、将来一部の地域の気温が、人間が生存可能な限界値に達することを示唆している(日本語版記事)。だが、『Nature Climate Change』誌にこのほど掲載された新しい論文によると、ペルシャ湾では、気温の上昇と湿度の上昇という致死的な組み合わせにより、「限界」がこれまで予想されていたよりかなり早く訪れる可能性があるという。
気候学研究者クリストフ・シェアーによると、この地域は特に、暖海に近いため、極端な高温多湿気候になりやすいという。ペルシャ湾は、水域が比較的浅いので、大洋に続く一般的な入り江よりも熱を吸収しやすいらしい。
ジェレミー・パルとエルファチ・エルタヒアは、複数の気候モデルによる解像度25kmのシミュレーションを利用して、将来の気候変化がペルシャ湾沿岸地域に及ぼす影響を予測した。
http://wired.jp/2015/11/10/persian-gulf-temperatures/