ゾウが長い鼻を器用に使うことはよく知られていますが、総合研究大学院大学のグループがゾウが鼻息を利用して、えさを引き寄せる行動を取ることを実証しました。こうした行動は「進化論」を提唱したチャールズ・ダーウィンが著書に記載していましたが、その後、報告がなくグループではゾウの認知能力の高さを改めて確認したとしています。
研究を行ったのは、当時、神奈川県にある総合研究大学院大学の大学院生で、現在は京都大学の水野佳緒里さんたちのグループです。グループでは動物園の2頭のアジアゾウについて、遠くに食べ物を置いて行動を調べる実験を100回以上繰り返したところ、ほぼ毎回、鼻息を吹きかける行動が観察できたということです。この際、ゾウは一見して鼻が届かない場所にえさがある場合は、鼻でつかもうとはせずに最初から壁などに向かって鼻息を吹きかけるケースが多かったということで、グループでは象が意図的に鼻息を利用していることが確認できたとしています。
グループによりますと、ゾウのこうした行動はおよそ140年前にダーウィンが著書の中で報告していたということですが、それ以降の報告はなく、その真偽については実証されていませんでした。グループではゾウの認知能力の高さが改めて確認できたとしていて、今後、息を吹きかける行動をどのように習得したのか調べることにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151105/k10010295241000.html