アフリカの中西部や東部では、ライオンの生息頭数が今後20年間で大幅に減少する可能性が高いとの見通しを、英オックスフォード大などの欧米研究チームが27日までにまとめた。南部では保護措置が効果を上げているが、南部の集団しか残らない場合、ライオンは生態系の頂点を占める「百獣の王」とは言えなくなってしまうという。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
研究チームは近年行われた生息調査のうち、信頼性が高いデータだけを選び、アフリカ全体の47地域で少なくとも計8221頭が生息していると推定した。
このうちナイジェリアやカメルーンなどの中西部では、今後20年間に七つある生息地域のうち4地域で生息頭数が半分以下に減少すると予想。ケニアなど東部では14地域のうち6地域で生息頭数が3分の2以下に減ると評価した。
これは人口増加に伴い野生動物が生息できる地域が縮小し、ライオンが餌とする草食動物が減っている上、政府の保護予算が少ないのが主因。南部でも7月にジンバブエの国立公園で、観光客の人気者だったライオン「セシル」が米国人の狩猟の犠牲になっており、保護措置を継続する努力が求められている
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