アメリカ軍が主導して過激派組織IS=イスラミックステートに対する戦いが続く中東のシリアで、ロシア軍が対ISを理由に空爆を開始しましたが、アメリカ政府は、空爆がISに対して行われているのか、慎重に見極めていく姿勢を示しました。
ロシア国防省の報道官は30日、シリア国内でロシア軍がISの拠点にある軍用車両や武器の倉庫などに対して空爆を行ったと明らかにしました。シリアの国営テレビは、空爆は中部のホムスやハマを含む少なくとも7つの地域で行われたとしています。
ロシアのプーチン大統領は、今回の作戦はISと戦うアサド政権を支援するもので、空爆に限定し、ロシア国内でのテロを未然に防ぐことにもつながると強調しました。
これについてアメリカのケリー国務長官は30日、国連の安全保障理事会で開かれた外相級の会合で、「アメリカはISなどに対する戦いは支援しており、ロシアの行動が純粋にこうした目的であれば歓迎したい。しかし、ロシアの作戦がISが活動する地域で行ったものでなければ重大な懸念をもつことになる」と述べ、空爆がISに対して行われているのか、慎重に見極めていく姿勢を示しました。
また、ホワイトハウスのアーネスト報道官は30日の記者会見で、シリアでアメリカ軍とロシア軍が偶発的に衝突するのを回避することが優先事項だと強調し、ロシア側と協議を急ぐ考えを示しました。
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