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航空自衛隊岐阜基地。安全保障関連法案の国会審議を自衛官の家族らは複雑な思いで受け止めている=各務原市
安全保障関連法案が衆院で審議入りした26日、航空自衛隊岐阜基地(各務原市)に所属する自衛官の家族らは論戦の始まりをさまざまな思いで受け止めた。「国益に合致するのであれば、集団的自衛権の行使もいたしかたない」と法案成立に 理解を示す父親がいる一方で、「今、息子が自衛官になると言うのであれば止める」と懸念する母親も。 「武力行使の新3要件」に関し安倍政権の説明不足を指摘し、基準の明確化を求める声も聞かれた。
「国際的な状況や日本の果たすべき役割を冷静に見て法整備に賛成する自分と、息子が危険にさらされることを心配する親としての自分がいる」。飛騨地域の50代の父親は複雑な思いを口にした。岐阜地域の50代の父親も「やむを得ないとは思うが、いざ息子が危険な状況になったら心情は変わるかもしれない」と話す。
家族が一様に口にするのは、どのような事態が新3要件に当てはまるのかはっきりと分からないという点と、10本もの現行法改正を一括した法案があるなど法案が多岐に及ぶ点だ。
岐阜地域の40代の妻は「どういう場所に、どういう条件で行くことになるのか分かりづらい。もう少し納得できるよ うに議論を深めてもらいたい」と注文した。飛騨地域の50代の父親も「息子が海外で活動する際、しっかりと『こういった理由で行ってくる』と私に説明できるようにしてほしい」 と要求した。
一方で、審議入りに伴い、安全保障問題に関し国民的議論が深まることに期待する声も聞かれた。飛騨地域の50代の父親は「自衛隊は、国土の防衛が本来の仕事。震災復興などで自衛隊は注目を集めたが、本来の任務で国民の関心が高まることはいいことだ」と指摘。「国会でのしっかりとした議論と、国民の熟慮に期待したい」と話した。
ソース
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20150527/201505270923_24990.shtml